【動画ビギナー必見!】知っておきたい基本のサイズと構図 :人物編

映像・動画を撮影する際に一番大切なのは、それを通して「何を伝えたいか、どのようなメッセージを伝えたいか」を考えることです。それによって被写体をどの大きさ、どの位置から撮るかの構成=構図が変わってきます。
この記事では、特に人物を被写体にする際の、映像・動画制作の基本となる「サイズ・構図」と「構図を決める際に気をつけたい点」をご紹介します。

1.被写体の大きさ:画面サイズの種類

人物を被写体にして映像撮影をする際、意識したいのは画面サイズです。
映像における画面サイズとは、メインとなる被写体が画面内でどれくらいに収まっているか、つまり被写体の大きさのことを表し、引き(ヒキ)から寄り(ヨリ)までロングショット、ミディアムショット、アップショットの大きく3つに分けられます。
その3つを細かく分類したパターンを被写体から遠い順に6つご紹介します。

ロングショット

ロングショットとは被写体の全身が写っていて周囲の状況もわかる撮影方法で、被写体よりも背景が多くを占めているサイズになります。ロングショットに分類されるのがフルショットとニーショットです。
映像制作は複数のカット(ショット)を繋いで編集していく必要があるため、ロングショットは主に被写体が置かれている状況を説明するための役割として用いられます。

フルショット(フルフィギア)

つま先から頭頂部まで被写体の全身が入ったサイズ。
カメラアングルは被写体と正対したときの目線くらいの高さです。
頭上と足下にスペースを設けるか、頭上部分によりスペースを設けた方が安定して見えます。
フルショットは、フルフィギュア・FFとも言い、一般的にはこの表現の方が使用頻度が高いです。

ニーショット

膝から頭頂部まで入ったサイズ。
被写体の膝が見えるくらいの画面サイズです。
ロングショットやフルフィギアほどではありませんが、被写体の居る場所、服装や体格など容姿や全体の動きも伝えることができるショットです。2人以上で並んで歩くようなショットでよく使用されます。

ミディアムショット

ミディアムショットとは被写体の腰から上を撮影する方法です。ミディアムショットに分類されるのがウエストショットやバストショットです。
ミディアムショットでは、人物とその周りの風景をフレーム内で均等に配置することで、どちらにも注目が集まるため、表情・感情・身振りの些細な動きを表現することができます。また、編集の際にはワイドショットからクローズアップへの突然の切り替えではなく、ミディアムショットを挟むことで場面の切り替えを分かりやすく表現することが可能です。

ウエストショット

腰から頭頂部までが入ったサイズ。
編集の際にフルショットにつなげるショットとしてよく使用されるショットです。
背景や被写体の状況も適度に映しながら、上半身の動きを強調したい場合に使われ、万能的で使いやすいサイズです。

バストショット

胸あたりから頭頂部までが入ったサイズ。
人物撮影で最も多用され、被写体の表情と上半身の動きに注目させたい場合によく使用されます。ウエストショット同様に、万能的なサイズです。

アップショット

アップショット

被写体の顔が画面一杯に入ったサイズ。
場所の情報や被写体の全体的な容姿は伝わらない一方で、被写体の表情や会話、細かい仕草を撮りたい時に効果的なショットです。
肩のシルエットまで入れたほうが、安定した構図となります。
※写真例のように、肩の上〜頭頂部までを撮影する場合は、ショルダーショットと表現することもあります。

クローズアップショット

被写体の目元、口元、手、足などが画面一杯に入ったサイズ。
目の表情や視線に意味を持たせたい、つないだ手、赤ちゃんの手など、被写体の特徴を見せたい時に効果的なショットです。
※さらに寄った、目だけ、口だけなどのショットは、エクストリームクローズアップショット
(ディテールショット)と呼ばれます。

画面サイズが変わると当然それに応じてカメラ位置も微調整が必要となりますので、カメラアングルには注意して撮影しましょう。

2.被写体の位置:映像・動画のおすすめ構図

「三分割法」

映像・動画撮影初心者におすすめの構図は「三分割法」です。

三分割法は、フレーム画面の縦横を三分割し、その分割線が交わる四ヶ所=スイートスポット(最適点)に被写体・映したいものを配置する手法のことを言います。

人物撮影の場合は、このスイートスポットのどこかに被写体の顔を配置してみましょう。三分割法を用いることでバランスの良い安定した映像を表現することができ、被写体を置いた場所以外を空けることによってコピースペースも確保出来るため、ストックフッテージ撮影にも向いている万能な構図です。

4点がスイートスポット(最適点)

3.映像・動画の構図を決める時に気をつけたいポイント

人物の配置

人物が左右どちらかにはっきり向いている場合、その向きに逆らうと違和感のある映像となってしまうため、撮影時には注意が必要です。

人物の横顔を撮る時には、基本的には顔の向いている方向、目線の先を大きく空けるようにしましょう。
被写体が歩いている場合なども、進行方向にスペースがあるので自然な印象を与えることができ、バランスが良くなります。
※写真例)人物が左を向いていて、スペースも大きく左に空いているため違和感がありません。
特殊な例として、「悩み」、「疲れ」など、被写体の心理を表現したりする効果を狙って、人物の後ろをわざと空けることもあります。

イマジナリーライン

主に人物の会話シーンを撮影する場合に役立つセオリー「イマジナリーライン」をご紹介します。
イマジナリーラインとは、被写体同士の立ち位置を結んだ線のことで、想定線(そうていせん)や180度ルールとも言われます。
特に映画・ドラマ・アニメなど連続したショット(カット)をつないだストーリー性のある作品で対話シーンや車両等の進行方向を表現する場合など、被写体の位置関係(左右)に矛盾が起きないようにラインの内側(手前)で撮影・編集・描写することが映像の基本ルールとして推奨されています。

上記例でも被写体A・Bの位置関係が左右変わらずにイマジナリーライン内のアングルで撮影されていることがお分かりいただけると思います。

仮にイマジナリーラインを超えて反対側から撮影を行うと、その位置や角度によって映像においては視聴者に以下のような違和感を与えてしまうことがあるので注意してみてください。
 ・人物の立ち位置が逆になり、位置関係がわからなくなり混乱させてしまう
 ・人物の関係性もよくわからなくなる。
 ・動く対象物の場合は、動いている方向がわからなくなる。

ただし、イマジナリーラインは絶対に超えてはいけないものではなく、あくまで視聴者に無駄な違和感を与えないようにする工夫の一つです。視聴者を意図的に混乱させたい場合、流れを変えたい場合、ストーリー性を意識しなくても良い場合などには、イマジナリーラインを超えてカメラが真反対に入る「ドンデン」という手法もあるので適宜判断してください。

NGショット

人物撮影では、「切る・刺す」などのイメージが伴う物を背景に持ってこないように注意しましょう。

串刺しショット

人物撮影時の背景に、電柱や棒状の物がちょうど頭頂部辺りから伸びているような構図です。
これは串刺しショットと呼ばれ、頭に棒が刺さっているような違和感のある映像になってしまうので注意しましょう。

首切りショット

背景の窓枠や棚など、水平線状の物が被写体の首部分に伸びているような構図です。
一見すると、首が切られているように見えてしまうので注意しましょう。

以上、同一のテーマやシチュエーションであっても、画面サイズや構図によって情報量の違い・その映像のもつ意味や意図が変わってくることはお分かりいただけたでしょうか?

撮影したショット(カット)が連続して使われるケースも考慮して、ぜひロング・ミディアム・アップと3つ以上の画面サイズを用いたり、参考記事にあるカメラワークなどとも掛け合わせながらバリエーションを意識した撮影をしてみてください。

撮影モデル:Mari