広告のコンセプトを明確に伝えるために欠かせないビジュアルイメージ。
最近では、デザインの現場だけでなく、
営業や企画提案用のプレゼン資料においても、ビジュアル活用が広まっています。
テキストや数値がただ並んでいるだけのスライドが続くと、相手につまらない印象を与えるだけでなく
結局伝えたいことが曖昧(あいまい)になってしまうこともありますよね。
文字や数値をできるだけビジュアル化して分かりやすくすることで、
相手に強い印象を与え、コンセプトが伝わりやすくなります。
でも、いったいどんなビジュアルを選べば、
コンセプトが伝わりやすくなるの?と、誰もが疑問に思うはず。
そこで今回、ビジュアルの違う2パターンの広告を用意しました!
どっちが「コンセプトが一目で伝わるビジュアル」か、くらべてみましょう。
さあ、こんなシチュエーションのとき、
あなたならどちらのビジュアルを選びますか?
1. 優秀な人材が応募したくなるグローバル企業のイメージはどっち?
グローバル戦略を展開していく上で、優秀な人材を採用したい!
そんな経営陣、人事担当の願いを叶える、採用・コーポレートサイトのビジュアルならどっち?
[答え]右
なぜ、[右]がよい?
・ビジネスパーソンのビジュアルを使うことで、実際にその企業で働くイメージを具体的に喚起できる
・被写体が「一緒にやろうよ!」「あなたを待っています!」と訴えかけるような構図が、見る側に友好的な印象を与える
・(社風や企業文化にもよりますが)冷静・無機質なイメージを与える青色より、パッションを感じさせる赤色を採用することで、チームワークや会社としての勢いを彷彿させる
[左]は、どんなメッセージを伝えられる?
全体を青色で統一し、スマートでソリッドな印象を与える[左]のビジュアルは、ヒトが関係する採用などのテーマよりも、最先端イメージやIT技術、ネットワーキングといったITビジネスをイメージさせる際に効果的なビジュアルです。
2. 安心・安全な食材を家庭に届けたい!ママを納得させるイメージはどっち?
大手食品メーカーさんの不祥事など、最近は安全な食品を手に入れるのも一苦労。。。
育ち盛りのお子さんを抱えた家庭では、確実に安全な食材を手にしたいところ。
そんな、安心・安全に敏感なママたちが納得する、安心・安全な食材を伝えられるビジュアルはどっち?
[答え]右
なぜ、[右]がよい?
・人によって生産されている、作られているイメージが伝わり、より安心・安全を訴求できる
・笑顔の人物により、「自慢の作物」「こだわりの野菜」といったメッセージを伝えられる
[左]は、どんなメッセージを伝えられる?
やわらかな材質が特徴的なクレヨンで描かれたハートのビジュアルは、その材質のもつ柔らかさ・温かさといったイメージを活かして、親子のふれあいやバレンタインなどのイメージとして効果的。また、献血や医療福祉など、社会性のあるテーマでも活用できます。
3. 「生徒ひとりひとりに寄り添う教育」というコピーが似合うのはどっち?
つぎは、学習塾の広告イメージ。
昨年は「今でしょ?」が流行語大賞を受賞、塾もそれぞれにカラーを出す時代。
こちらの塾では、生徒ひとりひとりに寄り添い、それぞれのスピードに合った内容で、
確実にモレなく生徒たちの成績を上げる学習に取り組んでいます。
さて、そんな塾の広告。あなたなら、どっちのビジュアルを選びますか?
[答え]右
なぜ、[右]がよい?
・メッセージの「生徒に寄り添う」が、ビジュアルで具体的に表現されているため、ダイレクトに伝わる
・柔らかい日差しが、寄り添う先生や周囲の雰囲気の温かさを伝えている
・塾(教室)での様子をそのまま切り取ったような自然なイメージが、実際に存在しているというリアリティを感じさせる
[左]は、どんなメッセージを伝えられる?
カメラをしっかりと見つめた若い男性教師のビジュアルは、ブレない視線や人物の若さといった要素から「高進学率」や「生徒の95%が難関校を突破!」など、非常にアグレッシブな文化をもつ塾のイメージにマッチします。
4. 海!ビーチ!常夏!ハワイへのパックツアーパンフレットならどっち?
こんなに寒い日がつづくと、ハワイに行きたい〜!なんて思ってしまいますね。
日本人の方なら大抵が “知っている” ハワイ。
そのハワイへのパックツアーを誘うパンフレットの表紙に選ぶなら、どっち?
[答え]右
なぜ、[右]がよい?
・多くの人が知っている名所中の名所を見せることで、ハワイがより具体的にイメージしやすくなる
・海水浴、ホテル、山など、見る側にハワイでの様々な行動イメージをかき立てる要素が多い
・全体的にシンプルな構図のため、理解しやすく、見る人のアタマにイメージが浸透しやすい
[左]は、どんなメッセージを伝えられる?
こちらのビジュアルには人がほとんど登場せず、少し寂しい印象を与えてしまいそうですが、「リゾートに泊まる!」「南国でリラックス」「時間を忘れてのんびり」など、賑やかな場所を離れてリラックスする!がテーマであれば、イメージとのマッチ度はぐっと上がります。
番外編:同じ被写体でも伝わるメッセージはここまで変わる!
これまでは、同じテーマでどちらのビジュアルがより伝わる?という切り口で進めてきましたが、
最後は趣向を少し変えて、同じ被写体でも伝わるメッセージがここまで変わる!事例をご紹介します。
突然ですが、りんごのビジュアルが表紙に使われている本を自由にイメージしてみてください!
りんごは果物で、食べ物ですから、[左]のようなレシピ本を思い浮かべる人が多いと思います。
では、[右]のサンプルを見てみてください。
真っ黒の背景に浮かぶ、真っ赤なりんご。
レシピ本ではなく、万有引力の本だけれども、なんだかすこぶるフィットする。
りんごは、果物、食べ物としての意味以外にも、「禁断の果実」「万有引力」「知恵の象徴」
「竜が守る神果実」など、さまざまな「意味」を持つ被写体です。多くは神話からきていますね。
それゆえに、同じりんごであっても、[左]のように食べ物としてレシピ本に活用したり、
[右]の万有引力の本に活用したり、とまったく異なるメッセージを伝えることができるのです!
あなたの目の前にあるビジュアルが、ほかにどんな意味やメッセージを含むものなのか、
ちょっと考えてみるのも面白そうですね!
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