Profile
こども・かぞくカメラマン。東京都出身。2007年武蔵野美術大学造形学部卒業。
大学卒業後、一般企業に勤めながら独学にてカメラを勉強し、未経験からフリーランスカメラマンに転身。主にキッズ・ファミリー・マタニティフォトなどを撮影し、「女性ならではのやさしい写真」と定評がある。
PIXTAの初期の頃から活躍している人物専属クリエイターのわたなべ りょうさん。キッズやファミリーの出張撮影を多く手がけていることもあり、爽やかな人物のロケーション写真が得意なフォトグラファーです。マイペースに撮影を楽しみながら、着実に売上を伸ばしている彼女のストックフォトライフとは?
ストックフォトをはじめたきっかけ

最初の頃は、友人や、撮影に協力してくれるファミリーをメインに撮影していました。ストックフォトについてはほとんど知識がなかったので、自己流で撮影したポートレートっぽい作品が多かったですね。その後、PIXTAのスタッフさんにストックフォトの撮り方についてアドバイスをいただいて、独特の撮影方法や企画の大切さを知り、ストックフォトの面白さに気づきました。撮影が効率的に進むように自分で企画書や小道具を準備して、作品が増えてからは、コンスタントに作品が売れるようになっていきました。
モデルの個性を生かしたオーダーメイドな企画作り

衣装は、自分で用意したり、モデルさんの私服を事前に写真で送ってもらったりして決めます。自分で用意するときは、ネット通販やファストファッションを活用しています。あとは、デパートのセール等も使えそうなものがないかチェックするときもあります。企画に合わせてスポーツウェアや、介護士の制服など、いろいろストックしています。
https://pixta.jp/photo/1691748
https://pixta.jp/photo/6125877
モデルをセルフキャスティング!

数年前から、ストックフォトのモデル募集専用ブログを立ち上げて、そこでモデルさんを募集しています。ブログのタイトルや文章にも「ストックフォト」「モデル募集」などのキーワードを入れて、検索で上位に表示されやすくなるようSEO対策も意識しています。
今は、このサイトを通じて応募して来てくれたモデルさんを中心に、クチコミで少しずつモデルさんとのネットワークを広げているところです。この方法でキャスティングすると、他のクリエイターさんとモデルが重複しないので、購入される確率も高くなります。
モデル選びのときに、私が大事にしているのは、コミュニケーションをきちんと取れる方かどうかです。いくらルックスが整っていても、撮影当日に遅刻したり、突然キャンセルしてしまうような方は困るので……。撮影までの間のやり取りでも、コミュニケーションがうまくいかないと、お互いにモチベーションが下がってしまいますよね。そういったお仕事をする上での基本は押さえた上で、清潔感があって、自然な笑顔のできる方にお願いしています。
スタイリングは、基本はシンプルなものにしていますが、普段の買い物で洋服を見て回っているときに、お店の人の着こなしやディスプレイでコーディネートのトレンドなどを頭に入れておくようにしています。
時々、自分の買い物をしているのか、ストック用の衣装の買い物をしているのか、曖昧になってくるときもありますね(笑)。
https://pixta.jp/photo/1698172
https://pixta.jp/photo/2161295
情報収集&企画の立て方
PIXTAの他のクリエイターの作品や、他社のストックフォトを見るのはもちろんですが、日常的にインターネットで様々な広告をチェックするようにしています。
例えば「秋の行楽特集」「年末年始特集」といった季節ものの特集記事があるとすると、購入者の方がどういう構図やイメージの写真を求めているのかや、好感度の高いモデルさんやスタイリングの傾向等を掴むことができます。それらを大量にインプットして、自分の頭の片隅にアイデアを溜めておく感じです。
ネタは大量に集めておくのですが、実際に撮影するときには、その中から厳選して捨てる作業の方が重要だったりしますね。欲張りすぎると、本当に撮りたかったものにかける時間がなくなってしまったり、バリエーションを作ることばかりに気がいってしまったり、デメリットも多くなると思います。
ロケでの撮影スタイル
悪天候時の対処法は?
撮影の時間配分とレタッチのポイント

例えばモデルさんが3人の撮影の場合、最初と最後は全員で撮影して、その間はそれぞれのソロカットや2人ずつのカットを押さえていきます。企画書には、人物の並び方のバリエーション+動作や小物の持ち替え等、わりと細かく書き込んで準備しておきます。そうすると、撮影中に悩むことがないので、短時間で集中してたくさんのバリエーションを撮影することができます。
レタッチでは、肌が綺麗に見えるようにして、歯を白くし、歯並びを修正したりすることもあります。1枚1枚にそんなに時間をかけないので、レタッチ作業はそんなに苦ではありません。撮影時に気をつけているのは、モデルさんの髪の毛の状態です。顔にはりついていたり、ピーンと飛び出している髪の毛はかなり目立つので、撮るときにチェックするようにしています。ヘアメイクさんを付けない撮影が多いので、自分でヘアコームや鏡、肌のテカリを抑えるプレストパウダー等、簡単なメイク直しの道具も準備していきます。
タグ付けのテクニック
ストックフォトの撮影を楽しむコツ

ストックフォトの撮影は、普段の仕事と違って制約がなく、義務ではないところが一番楽しいです。
自分でモデルさんを手配して、準備をしたりできるのが楽しいし、かつその作品が売れるとうれしいです。
収入についてですが、私がPIXTAを始めた当初の目標は、もう達成してしまったんですね。今のモチベーションは、いかにPIXTAの中で自分にしか撮れない写真を撮影していくか、ということに変化してきています。
スタンダードな写真は、もう撮り尽くされているので、他の人と同じような写真を撮影しても意味がないし、自分としてもあまりやりたくないんです。だから、自分の好きなロケを中心にして、モデルさんも、スタッフも楽しみながらできる撮影で、かつ売れるコンテンツを作っていけたらいいなと思っています。
撮影にかけるコストは、モデルさんとスタッフのギャランティと、あとは衣装代、小道具代くらいです。
衣装は、撮影が終わったらちゃっかり自分が使えるようなものを選んで購入してしまうこともあります(笑)。ロケは、スタジオで撮影するより準備にも手間がかかるし、天候のリスクもありますが、自分の性格的にスタジオにこもって撮影するのは向いていないんです。なんとなく外にいるだけで、私もモデルさんも自然にテンションが高くなっている気がします。
おかげさまで、今は毎月PIXTAで安定した収入を得られているので、将来的には拠点を田舎に移してみたいとも思っているんです。その土地でしか撮れない写真を撮影して、自分のテーマの幅を広げていけたら楽しそうですね。