Profile

xiangtao(シャンタオ)
PIXTA人物専属クリエイター。本業は金融関係の会社員で、2007年よりPIXTAクリエイターとして活動を開始する。豊富なビジネス経験とマーケティング能力を生かして「売れる」ストックフォトを量産するトップクリエイター。

本業は会社員ながら、PIXTAで長らくトップクリエイターとして活動を続けているxiangtaoさん。「写真は趣味ではなくビジネス」と捉えているxiangtaoさんが語る、「売れる」ストックフォトの必須条件とは?

ストックフォトへの取り組み方

ストックフォトも普通のビジネスと同じで、基本的には5つのポイントからなっていると思います。

各ポイントを踏まえた上で、ビジネスモデルの全体を考え、それが自分で継続できるものに構築することが重要です。
ストックフォトは短期間で結果が出るものではなく、年単位で考えるビジネスだと思います。年単位で考えるビジネスと言うことは、長期間継続できるかどうかが重要です。5つのポイントのうち1つでも欠陥のあるビジネスモデルは継続できません。

例えば撮影する物(経営資源)が限られていると、顧客価値を継続的に提供することは難しく、さらに競合するクリエイターが多くなると差別化できず、収益が悪化して継続ができなくなります。

市場は生き物で、常に変化し続けるのでビジネスモデルも変化させながら取り組んでいます。

https://pixta.jp/photo/7958937

情報収集と企画の立て方

普段は会社員なので「日経新聞」と「日経ビジネス」を定期購読していて、内容によって「東洋経済」「ダイヤモンド」なども併読しています。仕事柄経済関係の雑誌を見る機会が多いですね。

ストックフォトのニーズのパターンとして「法改正に伴う影響によるニーズ」「経済的変化に伴うニーズ」「社会構造の変化によるニーズ」などがあるので、これから発生すると思われるニーズを掴むのに経済誌は有効ですね。また、世の中にはいろいろなビジネスモデルがあるので、参考になります。

ストックフォト固有の取組みとしては、PIXTAで日々、新作の人物写真をチェックしていますので、売れているクリエイターの人物写真は大体覚えています。それ以外に、大手のストックフォトサイトの写真もたまにチェックします。市場に供給される商品=競合する商品を知ることは、ビジネスとして当たり前だと思っています。

そして定期的にいろいろなホームページの検索や、新聞の折り込みチラシ、フリーペーパー、野外広告など日常的に広告や写真が使用されている物でストックフォトの使用事例を調べています。

PIXTAの写真を多数使用しているケース」「特定の業界で使用が多い」「頻繁にホームページを更新して使用している大口需要家」などを調べることで「顧客」と「顧客価値」が判ります。
基本的に、顧客と求められる写真がわかれば、その写真を撮影するだけで売れます。

https://pixta.jp/photo/5108091

人物写真撮影の重要なポイント

企画を考える上で、「経営資源」「差別化」が重要になってきます。人物写真を撮影するうえで一番の重要なポイントは、クオリティの高い多様なモデルさんを継続して調達できるかどうかです。PIXTAの人物専属クリエイターになると「モデルキャスティングシステム」を使えるので、それが人物専属クリエイターになった一番の理由ですね。このシステムを利用すること自体が、大きな「経営資源」「差別化」になっていると思います。

https://pixta.jp/photo/7669568

アマチュアのモデルさんでもいい人はいるので、短期的視点でみれば自分でモデルさんを調達して、複数のストックフォトサイトで販売しても売上を上げられるでしょうが、中長期的視点で考えた場合、クオリティの高い多様なモデルさんを個人で調達し続けられるか?と考えたら無理ですね。
クオリティの高い多様なモデルさんがいれば、いろいろな組み合わせで企画が考えられますし、やはり、クオリティの高いモデルさんのコンテンツは売れます。

https://pixta.jp/photo/6817885  l   https://pixta.jp/photo/8326662

2年前からはヘアメイクさんも常にお願いしています。クオリティの高いモデルさんを、さらに良い状態に持っていくためには欠かせない存在です。売れているクリエイターの大半がヘアメイクを付けているので、競合上も必要です。メイクさんを付けてないクリエイターの写真を見ると、結構髪の毛が乱れていますね。なかなかカメラマン一人ですべてを見ながら撮影するのは難しいと思います。

また、ヘアスタイルを変えるとモデルさんのイメージが変わるので、撮影のバリエーションが増えることもメリットです。
私はいつもUshicoさんやkouさんと同じヘアメイクのMさんにお願いして東京から関西に来てもらっています。1日の撮影でいろいろなテーマを撮影するストックフォトは、特殊なケースのようなので、メイクさんは経験豊富な人が安心です。
ストックフォトに慣れたメイクさんを個人で探すのは難しいので、PIXTA人物専属の一つの経営資源だと思います。メイクさんを付けている人はまだ少ないので、それだけで差別化につながります。

https://pixta.jp/photo/7463620  l   https://pixta.jp/photo/7326837

人物写真もひと昔前と違って供給が増えてきたので、ストックフォトで売れる「定番」のテーマは需給バランスが悪いです。定番のテーマで売ろうとすると、競合する写真より高い「顧客価値」が必要ですから、どうすれば差別化できるか考えます。
差別化のアプローチはいろいろありますが、顧客の視点で写真を考えれば、差別化の要素は見つけられますし、新しい「顧客価値」を創造していくことも、それに沿った写真を供給するのも仕事だと思います。

あと、「差別化」する必要のない、競合がないニッチなテーマはコツコツ長期的視点でストックしていますね。「年間100枚売れるが、競合するクリエイターが10人いる」テーマと「年間5枚しか売れないが競合するクリエイターがいない」テーマがあるとしたらどちらの収益が高いか?を考えます。

PIXTAの場合、S~XLの間で価格設定できるので、ニッチなテーマでも希少性から「顧客価値」を提供でき、高い単価サイズ設定にしておけば、枚数は出ないものの金額的に収益は上げられます。

他のストックフォトサイトを見ても、私しか撮っていない写真はあります。ニッチすぎて年に1枚しか売れないテーマもありますが、「定番」ではない「ニッチ」なものもある事がPIXTAの魅力につながり、私の写真が売れることにもつながると思っています。

https://pixta.jp/photo/8206989  l   https://pixta.jp/photo/7461682

「選択と集中」と「バランス」

経営資源である「時間」と「資金」は有限なので、
「選択と集中」は心がけています。
撮影テーマは大きく分けると「風景」「物撮り」「人物」と分類できると思いますが、私は「人物」に集中しています。

たとえば機材関連で言うと、「風景」「物撮り」「人物」それぞれ必要となるものが違うと思います。すべてに対応する機材を揃えるとそれなりに「資金」が必要になります。年間の撮影回数が限られていることを考えると、いろいろ揃えて撮影するのは結局1回あたりの撮影コストが高くついて資金効率が悪いです。

また、何事も経験は必要と思いますが、「風景」「物撮り」「人物」の撮影方法はそれぞれ違うので、どれかに集中した方がその分野の経験は積めます。
モデルさんもいろいろな人がいるので、どんな人が来てもクオリティの高い写真を撮るには経験が必要です。最初にプロのモデルさんを撮影した時は、ものすごく緊張しましたが、今では100人以上のモデルさんを撮影したので慣れました。

売上の面で言えば、毎月安定的に売れるテーマは少なく、必ず季節的影響を受けますし、一定期間しか売れないテーマもあります。また市場環境の変化からも影響を受けますので、安定的に売れるためには、ある程度のテーマの分散も必要です。

https://pixta.jp/photo/5179346  l   https://pixta.jp/photo/8379878

上の図はある商品を製造する工場です。各工程の数字は1時間当たりの処理できる数を表しています。この製造工場で1時間当たり最大の製造可能数はいくらでしょうか?

答えは10個です。工程Bで1時間当たり10個しか処理できないので、いくら後工程の処理能力が高くても10個しか出来ません。

この図式にあてはめてストックフォトの工程を大きく分類すると、下の図のようになると思います。

ストックフォトは写真なので、「撮影」の工程にこだわる人がほとんどです。「撮影」自体はもちろん重要ですが、いくら素晴らしい技術で撮影した写真でも、ニーズのないテーマは売れません。ニーズがあり、写真自体も素晴らしい出来でも、適切なタグを付けないと検索されず売れません。
つまり、ストックフォトのビジネスを理解し、バランスよく取り組む必要があります。
ちなみにこの考えはTOC(制約条件の理論)と言うもので、元ネタは「ザ・ゴール」(10年ぐらい前によく売れたビジネス書)です。今でも通用するいい本だと思います。

ストックフォトをビジネスの切り口でいろいろ考えると「選択と集中」するものと「バランス」よくするものがあります。クリエイターそれぞれの環境は違うので、自分に最適なもの、優先するものを考えるセンスが求められると思います。

ストックフォトを楽しむコツ

せっかく人物写真を撮っているので、グラビアも撮ってみたいと思って、モデルさんとメイクさんを連れて海外ロケに2回行きました。PIXTAのクリエイターをしていなければ、こんな経験をすることは無かったですね。正直、楽しかったですよ。

次は、パリとフィレンツェに行って、海外のファッション誌みたいな写真を撮ってみたいと思っています。さすがにヨーロッパは遠くて長期間になるので、なかなかモデルさんと日程調整が難しいですね。でも近いうちに行きたいと思っています。

ストックフォトを楽しむコツは、ストックフォトを「楽しい」と思うことですね。楽しくないと続かないですからね。

https://pixta.jp/photo/4121813  l   https://pixta.jp/photo/6093157

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