Fast&Slowのディレクターにインタビュー「企画・シーンの作り方」

Fast&Slowというアカウントはピクスタの複数の社員がディレクターを務め、主に人物イメージのクリエイティブ開発を方針に制作を重ねていました。

今回、人物のストックフォト撮影で欠かせない「企画・シーンの作り方」について、Fast&Slowのディレクターにインタビューを実施。どのような思考で撮影前の準備をしていたか、ご紹介します。

インタビューに答えたのは、H・Rさん。

プライベートでは映画、ドラマ、お笑い、漫画、アニメ、CM、ミュージックビデオ、コンサートやアーティストの個展などの芸術鑑賞が大好きで、趣味を通じてインプットする機会が多いとのこと。

入社当初はFast&Slow制作チームのデスクをしていたが、企画会議に同席しアイディアを提案することが多く、のちにディレクターデビュー。

日常目にするモノ・コトをストックフォトへ転換するという思考サイクルの追求

ーーー Fast&Slowは毎月企画会議があり、ディレクター陣がテーマを出し合って決めていましたよね。どうやって企画のアイディアを出していましたか?

H・R
H・R

映画やドラマなどの映像を観るのが大好きなんですが、観てる最中に「あ、こういう迫力のあるビジネスシーンをストックフォトでやったらどうかな?」と常にフラグを立てていました。何か見るたびにストックフォトにリンクさせる癖があるので、職業病ですね。(笑)

そして、普段目にするものや体感したことは他の人も経験していることが多いと思うんです。購入者は欲しいテーマがある状態でPIXTAにやってきて、自分の中にあるイメージにピタッとハマった時や「そうそう、これこれ」と自分の実体験や思考に近いものがあると共感して買っていただけると思っています。

なので、細かいことでもなにか出来事を思いついたら、そこから企画を膨らませていくようにしていました。

例えば、日常生活を送る中でも翻訳アプリを使うことがあるんですが、「翻訳アプリを開いて、文字をかざしているシーンってPIXTAにあるだろうか?」ということを起点に、ツーリストがする行動シーンを設定して、さらにシーンの細分化していくことができると思います

ーーーなるほど、普段の生活で思いついたアイディアのストックをして、そのマーケットへ提供可能なコンテンツを増やしていけそうですね。
続いて、一つの企画の内容はどんな感じで構成していましたか?

H・R
H・R

企画の2/3で経費回収ができるように、『売れ筋』コンテンツ(=ある程度売れることが見込まれるもの)をおさえていました。残りの1/3ではクリエイティブ開発としての『チャレンジ』をしていました。

「これ撮っても意味ないかも」と思って撮らないと、売れるか売れないかもわからないまま終わってしまうので、5枚でも10枚でもいいので少しのチャレンジを否定せずに思いついた自分を受け入れるマインドでいようと思ったんです。そのコンテンツが売れれば受け入れられたことがわかって、次もう少し広げて見ようかなという判断もできるし、ダウンロードされなければじゃあ次はこういうのをやろうと新たな課題が見えてくるので。どちらの結果も次の撮影に繋がっていくので、心がけていました

ディレクション例

ーーーチャレンジを肯定していくということ、自分で意識しないと過去の経験に引っ張られて新たなものが生み出せなくなってしまうゾーンに入ってしまいそうですもんね。
では、H・Rさんがディレクションしたコンテンツ例を見せてください。

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H・R
H・R

こちらの写真ですが、主役のモデルさんにはカメラ目線、その他のモデルさんには背景に後ろ姿で立ってもらいました。

狙いとしては、モデル配置とポージングによる他コンテンツとの差別化。受け手側に“何か”を連想させる余白のあるコンテンツづくりです。

想像や連想の余白があることで使用用途に広がりを持たせるチャレンジでした

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H・R
H・R

日常 目にするモノ・コトのストックフォト転換を意識する中で生まれた写真です。

実体験でもドラマやアニメでも、こういったシチュエーションに触れたことがある方もいらっしゃるかと思います。

なかなかこういった細かな設定がされたストックフォトは少ないと思うのですが、広告やプロモーションのキービジュアルだけでなく、周辺のバリエーションビジュアルにもニーズがあることを考えてのチャレンジでした。

「こういうのあったなぁ」と共感や想像するポイントをいかに入れていくことを大切にしていました

人物像を細かく設定していくことで、シーンのバリエーションが生まれる

ーーーシーンのバリエーションを考える上でコツはありますか?

H・R
H・R

主役や配役の人物像を細かく設定するのがおすすめです。私の場合は趣味や悩みごとの設定までしていました。

このステップを踏むことでシーンをどう連鎖させるかやモデルの仕草が決めやすくなると思います。

また、設定した内容をモデルさんに伝えることで演技への理解が深まり、イメージ通りの撮影を行えることもメリットです

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同じクラスに好きな人がいて、友達以上、カレカノ未満な微妙な距離感
という設定

H・R
H・R

男の子のアクションによって照れた可愛い女の子の表情を狙った1枚です。

一番大切なのは“照れた可愛い女の子の表情”なので、女性モデルの顔がはっきりと写っているアングルを設定しました。撮影現場にモデルが二人いたら二人とも満遍なく撮りたくなってしまうのですが、この場合は男の子の顔が写っていることは重要ではなかったのでぼかした上に、身長差を出して男女というのをわかりやすく演出しました。そのシーンの撮りたいことを明確にすると、必要じゃない要素を引いていくことができるので、引き算する意識も心がけていました

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ストックフォト以外のモノ・コトからインプットをおこない、ストックフォトに転換してみることや、ライフスタイルから得た観点を大切にすることで、共感を誘い購入されやすいコンテンツとなるのだと思いました。