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こんにちは、ピクスタ代表の古俣です。


「写真」というものは多くの人にとって身近な存在なので、
写真系のWebサービスは起業ジャンルとして人気があります。


しかし、スケール化と収益化の両立が非常に難しい分野のため、
新規参入の前には業界リサーチが欠かせません。


僕自身、8年前に写真素材マーケットプレイスPIXTAを立ち上げる前には、
写真系のWebサービスについてはかなり研究しました。
PIXTAも相当な苦労がありましたが (´;ω;`)ウッ 、
おかげさまで、今では国内最大のサイトに成長! ヽ(=´▽`=)ノ


今回、その時のリサーチを元に写真系Webサービスを5つのジャンルに分けて徹底解剖してみました!
新規事業などをお考えの方に参考になればと思います。


1)【ネットプリント&フォトブック】激戦区の元祖写真サービス!

このジャンルは日本のインターネット黎明期から存在するサービスです。古くは1996年にデジプリという会社がスタートしたのが始まりです。 それから20年近く、大企業からベンチャーまで多くのサービスが立ち上がっては消えたりしていった激戦の事業ジャンルです。


現在のネットプリント最大手は【写真プリント 1枚5円〜】の価格破壊で一気にシェアを伸ばしたしまうまプリントです。しまうまプリントは2012年にCCCグループ入りしました。


【しまうまプリント】



また写真プリントだけではなく、フォトブックという個人の写真集制作ジャンルも成長市場として多くの企業が参入しています。


フォトブックサービスでは広島のアスカネットという企業が2000年にサービスをスタートし、2005年に東証マザーズに上場して先行しています。最近ではカメラのキタムラ富士フィルムなどが力を入れているジャンルです。


【アスカネット|マイブック】



またミクシィ子会社のノハナがフォトブック1冊目無料という破壊的サービスを打ち出し、1年で会員65万人と多くのユーザーを獲得しています。


【ノハナ】



ただしノハナは運営費が大幅に膨らんだ結果、先日送料値上げという発表をおこなっています。
このネットプリントジャンルは「大規模な設備投資」と「価格競争力」の両立が必要なシビアな事業分野といえます。


»コスパ抜群!超おトクに「1枚5円」で写真をプリントする方法

»フォトブック比較 – 価格.com

»月1冊無料のフォトブック「ノハナ」送料値上げ「ビジネスに課題」ユーザーに協力呼びかけ


2)【写真共有サイト】収益化に高いハードル

このジャンルは2000年前後ぐらいには「写真アルバムサービス」として多くの企業が参入し、その後写真共有・コミュニティサービスをメインにしたサイトがいくつも立ち上がりました。 同時期に急速にブログサービスが広がり、ブログ用写真の保管・リンク先としても活用されてユーザーが急増しました。


国内ではZorgフォト蔵などが2000年代中盤に先行してリリースされましたが、収益化が難しかったようで、それぞれ他社に売却されました。(Zorgは今年の1月にサービス終了)


国内・海外ともに最大手はYahoo!グループ入りしたFlickrです(国内は推定)。やはり収益化は難しいようですが、利用者は世界的に増え続け、現在では1億人ユーザー、1日100万点の写真がアップロードされているとのことです。


【Flickr】



また海外のサービスにはなりますが、写真の見せ方・デザインにこだわった共有サービスが近年急成長しています。カナダ発の500pxや、有料プランしかないSmugMugなど。特にSmugMugはおそらく世界で唯一完全に収益化に成功しているサイトです。


【500px】



【SmugMug】



このジャンルもなかなか収益化は難しいですが、現在はスマホアプリに主戦場が移っていると思われます。


»2013写真共有サイト 19サービスを比較紹介

»500pxの歩き方。使い方。その一。アクティブユーザ数は世界一?写真投稿サイト500pxとは何か理解しよう。

»SmugMug、(アンチ?)Web 2.0企業


3)【ストックフォトサービス】投稿型サイトの台頭

このジャンルにはPIXTAが属していますが、いわゆる「写真素材サービス」です。昔からフィルムレンタルや素材CDという形でニッチジャンルとして存在してきました。


それが2000年代に入り、あらゆるストックフォトサービスがWeb販売に切り替わりました。そして次に高機能デジカメの普及・ブロードバンドの普及によりアマチュアカメラマン主体の投稿型ストックフォトサービスが日本のみならず世界的に台頭してきました。


アマチュアでも写真が売れる、また格安で素材が利用できるということで、元々のニッチジャンルから裾野が大きく広がっています。
PIXTAもその波に乗って2006年にリリースされ、日本国内ではNo.1のシェアを確保しました。


【PIXTA】



また投稿型では海外、特に欧米市場は1,000億円程度の市場があるとされ、100億円以上の売上を誇るサイトがいくつも存在しています。
2012年まではGettyimages傘下のiStockphotoが投稿型では最大手でしたが、サブスクリプションサービスをメインにしたShutterstockが2011年にIPOを果たし、欧米No.1のサイトとなりました。


私たちピクスタでも、2014年4月3日にサブスクリプション型(定額制)の素材サイトImasia(イメージア)をリリースします!


【Imasia】



また今後はアジア市場が成長市場とみなされており、各社参入の機会を伺っている状況です。日本発のPIXTAも、メガベンチャーを目指す上で海外展開をスタートしています。


4)【撮影サービス】参入の余地あり!

このジャンルは、Web上で撮影の依頼をしたり撮影した写真をオンラインで購入できるというサービスです。 単純にネットで撮影依頼できるサービスで大きく成長したサイトはありませんが、国内ではマルチビッツアマナイメージズなどが展開しています。


【マルチビッツ】



【アマナイメージズ】



またマラソン大会や結婚式などのイベントにカメラマンを派遣して参加者を撮影、後日参加者がオンラインでプリント写真を購入できるサービスもあります。日本ではフォトクリエイトが最大手で、昨年IPOもしました。


【フォトクリエイト】



国内の写真撮影市場は1,000億円規模と言われており、そこそこの規模の割にはほとんどのプレイヤーが個人カメラマンや零細プロダクションが占めています。動画も含めると数千億円市場となっており、まだまだイノベーションの余地は大きいのではないかと感じています。


»IPO承認が降りたフォトクリエイトとPIXTAのビジネスモデルから写真サービスのマネタイズを考える


5)【写真アプリ】今もっとも熱い!

このジャンルは現在最もホットだといえるでしょう。
月に何本も新たなアプリがリリースされ、PC Webとは違ってスマホカメラから撮影→アップロードが直接おこなえるので、スマホユーザーをダイレクトに獲得することができます。


それぞれアプリごとに利用方法は若干異なっているのですが、撮影&フィルタ加工に特化したものやかわいいデコレーションが特徴のアプリ、また写真管理機能を充実させたアプリなど様々です。
ただし、いずれのジャンルも激戦区となっていること、また収益化が難しいことは間違いありません。


国内での主要アプリは世界2,000万ダウンロードを突破したDECOPIC、650万ダウンロードのSnapeee、180万ダウンロードのiフォトアルバムなどが目立っています。


【DECOPIC】



【Snapeee】



【iフォトアルバム】



しかしなんといってもLINE cameraが世界で7,000万ダウンロードを突破しており、国内でもユーザーが急増しています。


【LINE camera】



また海外では言わずもがなですがInstagramSnapchatがそれぞれ1億人前後のユーザー数、またドイツのEyeEmというアプリは1,000万ユーザーを突破し急速に伸びているようです。


写真アプリは日本でも世界でもあまりに膨大な数がありすぎてもはやまとめるのも難しい状況ですが、今後も斬新な切り口のヒットアプリが次々と出てくることが予想される熱いジャンルでもあります。


»Snapeeeの事例から、写真アプリを利用したプロモーションとマネタイズ方法を探る

»今ひそかにきてる!【EyeEm】というアプリ!



いかがでしたか。


写真系のWebサービスは、スマホの普及によりますます多様化しています。
今回ご紹介したジャンルに限らず、今後有望なジャンルは引き続きウォッチしていきたいと思います。


またピクスタ株式会社では起業に興味がある、Webサービスに興味があるという学生インターンを常に募集しているので、興味がある方はぜひこちらからお問い合わせください。


以上、写真系Webサービス大解剖でした!


この記事の著者
古俣大介

古俣大介代表取締役 社長  »メッセージ

大学在学中からECサイトなどの運営を手がけ、卒業後に株式会社ガイアックスに入社。同社で新規事業立ち上げに参画し、2005年8月に株式会社オンボード(現ピクスタ株式会社)を設立。2006年5月にPIXTAをリリースした。 »なぜバナナを?と思われた方はこちら